葡萄の目覚まし
こんばんは、山のぶどうの原昌敏です。
今日は暖かく気持ちのいい日なので、芽キズ処理をします。
この芽キズ処理はとても大切な作業で、芽の少し上のところに専用のハサミで傷を付けていきます。
葡萄は頂芽優勢と基部優勢の二つの性質があるので、この芽キズを行わないと
枝の先端と付け根のところしか芽が出てこなくなり悲しくなってしまいます。
悲しくはなりたくないので、この作業で発芽率を高くしてほとんどの芽から発芽させるようにします。
でもどうして芽に傷を入れると発芽しやすくなるかというと、いくつか諸説があります。
植物ホルモンの一つにオーキシンというのがあります。これは植物が成長する時に大切なホルモンの一つです。
このオーキシンは枝の先端・中間・基部や根などで植物自身が必要とする濃度がそれぞれ異なります。
オーキシンの流れる方向というのが先端から基部に一方方向で動くので
枝の先端がちょうどいい濃度の時は中間・基部・根では濃いすぎて成長が止まり発芽しません。
そこでこの芽キズ処理をするとオーキシンが傷がついているところを避けるように通って
結果ちょうどいい濃度になって発芽する・・・。
という、なにもおもしろくない。研究の結果がそうなんでしょうけど、難しい。
僕が好きな諸説があります。
それは、葡萄は頂芽優勢なので、枝の先端の芽を優先的に発芽させようとします。
なので傷を付けたところを葡萄の木が、
「おっ!ここが枝の先端か、よし発芽しちゃろ。・・おっ!ここもか!よし発芽しちゃろ。・・・お~、ここもか!よし発芽しちゃろ。おおっ!ここもか・・・なんか今年先端多い~な。」
という感じで勘違いして発芽してくれている。という話です。
がんばって発芽してね~と心の中で思いながら何万個ある芽キズ処理をしたいと思います。
芽キズ処理したところから水が流れてきました。ようやく葡萄が目が覚めて動きだしました。
ここから美味しい葡萄の始まりです。
2016/03/03 更新
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